聖夜は美利亜の頭を撫でた。


「学校も月1回行けばいいほうってほど部屋に引きこもった。」


「じゃあ、なんで姫は前髪を切ったんだ?」


龍は眉間に皺を寄せた。


聖夜は窓の外を見ながら


「美利亜の中で何かが変わったんだ。きみたちのライヴを見に行ってから美利亜は変わった。笑顔も増えたしな。」


そう言った。


「じゃあ、美利亜はなんであたしたちを遠ざけようとするの?」


「大切だから、みんなが傷つくところは見たくない。美利亜、絶対そう言うぞ。」


聖夜は苦笑した。


「当主。」


ふいに涼が聖夜を呼んだ。


「あぁ、わかってる。」


聖夜は美利亜の額にキスをして


「じゃ、仕事が詰まってるから。」


そう言って立ち去った。


「兄さん、後でぶっ殺す!」


嵐はその背中に向かって叫んだ。