「いやぁ!」


美利亜が叫ぶのと廉の頭に液体が降ってくるのは同時だった。


廉は頭に手をやり、液体を触って自分の手を見た。


それから後ろを振り向くとドサッと音がして看護師が倒れた。


胸には真雷刀が刺さっていた。


「ちっ。」


廉は舌打ちすると美利亜のほうを向いた。


すでに美利亜の左手にはもう1本の真雷刀が握られていた。


美利亜は気づいてなかったが、美利亜の後ろ、窓の外には嵐がいた。


「廉くん、逃げて!」


美利亜が叫ぶのと嵐が窓を開け、美利亜の左手を掴むのは同時だった。


今にも投げそうだった真雷刀は布団の上に落ちた。


「兄さん、乗っ取られた。」


「わかってる。もうすぐ兄さんが来るから安心しろ。」


嵐が言った途端、看護師が起き上がった。