「さっきから何を訳のわからないこと言ってるの?美利亜はここで生まれたんでしょ?」


聖夜は黙ったままだった。


それに耐えられなくなった水月は聖夜の両肩を掴むと前後に揺らした。


「ねぇ、兄さん、答えて。答えてよ!」


「…。わかった。その前に、嵐、美利亜出ておいで。」


聖夜は朔を睨みながら言った。


「やっぱりばれちまったか。」


廊下の角から出てきたのは車椅子に乗った美利亜とそれを押している嵐。


「あんまり遅いから来たんだけど…。迷惑だった?」


「いや、別に。」


聖夜はいったん黙ると、朔たちを指差して


「こいつらがうるさいから説明してあげようと思って。」


「何を?」


「美利亜はどこの人間なのか。」


そう言って聖夜は話し始めた。