ダンッと龍は壁に思いきり拳をぶつけた。


「こんなとこでくたばるわけにはいかねぇのに。」


「とりあえず、落ち着け。」


涼は龍をなだめた。


「騒いでてはなんの解決にもならん。」


「あの。」


「なんだ?ミス橘。」


聖夜は首を傾げた。


「なんでそんなに落ち着いていられるんですか!」


真目家5人、涼と瑚は妙に落ち着いていた。


「このくらいのトラブル、よくあることじゃ。」


瑚は胡座をかきながら言った。


「そうそう。これくらいで取り乱してたら真目財閥なんてやっていけないよ。」


聖夜は笑顔でそう言うと思いついたように


「そうだ、嵐!」


嵐を呼んだ。


「なんだ?」


「このビルの見取図、あるか調べてくれ。」