美利亜はそう言って顔を上げると


「龍たちも知ってるんでしょ?うちの正体を。」


そう言った。


「知ったからどうしたんだ?」


龍は苛立ちを押さえた声で


「だからなんなんだよ。姫には変わりねぇだろ?」


そう言った。


「美利亜、帰ろう。」


愛梨栖は両手を広げた。


嵐も美利亜を解放したが美利亜は行こうとも立とうともしなかった。


代わりに


「ねぇ、お兄ちゃん。」


玲を呼んだ。


「なんだ?」


「睡眠薬飲んだだけで立てなくなることってある?」


美利亜は首を傾げて聞いた。


「お前の体質ならあり得るけどってまさか。」


玲は焦ったように言った。


「なんか飲まされちゃったみたい。」


美利亜は笑顔でそう言った。