「姫、朔に何を言われた?」


優はなだめるように言った。


「言えば楽になるよん。」


「ならない。うちの苦しみなんてわかんないよ!」


「そんなの言ってみなくちゃわかんないじゃん。」


すると突然、ずっと黙っていた嵐が走り出した。


そしてその勢いのまま美利亜を抱き締めた。


「ねぇ、離して!」


「もういい。何も言わなくていい。だから自分をこれ以上傷つけるな。」


するといつの間にか近づいてきた聖夜が美利亜の手からナイフと銃を取った。


「もう、うちに近づかないでよ。うちは厄災の子だから関わった人はみんな不幸になるんだよ。」


美利亜は泣きながら続けた。


「今日だってみんなを傷つけて、みんなボロボロになって。うちに関わったせいだよ。だからもう。」