水月は不敵に笑うと


「お前は死刑だ。」


そう言って小刀を振った。


するとキーンと音がして男は気を失って倒れた。


「やばい。」


美利亜はふらつきながら立つと独り言のように呟いた。


「お兄ちゃんを止められる人がいない。あの人がいないと止まらない。」


美利亜がうろたえてる間に水月は男に近づくと拳を振り上げた。


しかし、それが振り下ろされることはなかった。


「やめとけ、水月。」


音もなく、いつの間にか近づいていたサングラスをかけた男が水月の腕を掴んでいた。


「わかったよ。」


水月は静かに拳を下ろした。


そして男を騒ぎを聞きつけて駆けつけた警察官に引き渡した。


それを見て安心したのか美利亜は気絶し、倒れた。