「なっ、なんなの?」


「まあまあ、気にしない、気にしない。」


愛梨栖はわざとらしく言うと美利亜の背中を押して中に入った。


「うわぁ、ホントに暗いし。迷子になりそう。」


「大丈夫。秘密の抜け道、使うから。」


愛梨栖は近くの(カーテンで作った小部屋の)カーテンを開けた。


「龍、ここね。」


「はいよ。」


愛梨栖は龍に指示を出しながら奥に進み、壁となるカーテンを開けると


「ここ、抜け道ね。小部屋の間だからカーテン、揺らさないようにしてね。」


さらに奥へ進んだ。


抜け道も複雑で気をつけないと迷子になりそうだった。


「廉はここ。涼はそっち。で、美利亜はあそこ。」


愛梨栖が指示したところに美利亜が入ると


「あっ!やっと来た。」


「おっせぇ。」


すでにお客さんがいた。