最初で最後の恋




その後、楓の怪我は跡だけになった。




「柚……ごめんな」


「私の方が………!!」


「違う、俺のせいだから」

「でも……………」



「もう謝んな」




少し低めの声。

怒り始めるサインだ………。





「うん……わかった」


そう言うけれどやっぱり
気にしてしまう私がいる…。




楓はそれに気づいたのか、


「勉強を教える」

といい始めた。




私も実を言うと
気をまぎらわせたかったから、



「うん」と答えた。