「私のクラスにも、変な人がいるんだよ」
「どんな?」
「何か、学校の七不思議を追っ掛けてる三人組がいるの。高3にもなって、まだまだやることが小学生みたいでさ」
「少年心を忘れられないでいるんじゃない?」
「やっぱりそうなのかな」
少年心かぁ……
そんなの、いつの間にか無くしてしまった。
しみじみとする私を見て、清水くんが笑う。
隣に座る子猫も鳴く。
つられて私も笑う。
そして帰るときになると、必ず私の背中を軽く叩く。
分かっていながらも、毎回鼓動が早くなってしまう。
ただの後輩。
そう思っていたが、いつしか別の感情に刷り変わっていた。
彼の存在は、次第に大きくなっていった。
静かな水面に、一粒の水滴が落ちて波紋が広がる。
私の心も、彼と言う存在に大きく波打っていた。
同じ高校。
二学期になっても、校舎ですれ違うことくらいあるだろう。



