それから、私達は毎日会うようになった。
日が暮れる直前の一時間だけ。

昼間は学校で勉強をし、時間になったら公園のベンチへ移動する。
特に何があるわけではないが、彼と会って話をすることで、私の心は満たされた。

子猫も一緒にいる。
清水くんの飼い猫ではなく、どこかの野良らしい。
この数日間で、すっかりと彼になついてしまった。

「清水くんはさ、この夏休み何してるの?」

「え?うーん……友達と海行こうって話してたんだけど、お流れになっちゃって」

「そうなんだ」

「うん。まぁ、二学期になったらどうせ嫌でも顔合わせるからいいかなって」

「楽しそうでよろしいこと」

彼と話をしていて飽きることがない。
清水くんは表情が豊かで、よく笑ったり口を尖らせてたりしている。

そしてよく喋り、聞き上手でもある。
そのせいか、自然と私も饒舌になってしまう。