カラカラと笑う。
それに応えるように、猫が鳴く。

二年六組。
と言うことは……

「もしかして、洋介先生のクラス?」

「そうそう!」

「ってことは……君、清水くん?」

「えっ!何で知ってるの!?」

驚いた顔をする清水くん。
まぁ、無理もないだろう。

「私、洋介先生の授業受けてるんだ。それでね、分からない事があって聞きにいくと、たまに清水くんの話が出るんだよね」

「マジでか!」

困ったように頭を掻き、少し不満そうに口を尖らす。
その顔がおかしくて、思わず笑みがこぼれる。

「笑う所じゃなくね?」

「笑うところだよ!話通り、清水くんって面白い」

「藤原先生、いつもどんな話してるんだ……」

若干顔を青ざめながら、溜め息をつく。
そして、小さく言った。

「こんなオレが言える話じゃ無いかもしれないんだけどさ……がむしゃらに頑張ればいいんじゃない?」

「え?」

「多分、君がやってることは間違ってる事じゃないと思う。今は低迷してるかもしれないけど、必ず報われるから」

「……」

「だから……頑張って」

「……うん、ありがとう」

私は清水くんを見た。
太陽は沈み、辺りが暗くなっている。