黄昏時、会いに行く


ガツン!!

金属と金属が擦れる音。
何かに弾き飛ばされ、私は尻餅をついた。
……え?擦れる音だって?

恐る恐る目を開ける。

そこには真っ黒なローブを羽織り、黒い大鎌を振りかぶっている人影がいた。

男の首がスパンと落ちる。
思わず、口から小さな悲鳴が漏れる。

それに気付いたのか、大鎌を持った人影がゆっくりと振り向いた。
体格からして男性らしい。
フードを目深に被っているせいで、顔が見えない。

「ここは危ない。早く逃げて」

「で、でも……」

その時、背後でガサリと音がした。
途端に、目の前にいる男性が反応をする。

「何事――きゃっ!!」

振り向こうとした途端、腕を引っ張られた。
バランスを崩し、私は不本意ながらも彼の腕の中に収まった。

「!!」

鈍い音が直ぐ後ろから聞こえる。
振り向こうとするが、身体に巻き付く手がそれを許してくれない。

「見ちゃダメ」

すぐ横から聞こえる。
どうしていいのか分からず、私は彼の胸に顔を押し付けた。

「……何で来たの?」

「え?」