───────コポ、
呼吸が、止まった。
途端に震えだす体。
それは恐怖なのか歓喜なのか。
紙一重の感覚。
アダムの口から紡がれた言葉が信じられない。
(だって)
だってその言葉は、私が彼に伝えるべき言葉なのだから。
あの頃から、私には"おねえさん"が…アダムが世界の全てだった。
人見知りで、人嫌いで。
友達一人まともに作ることの出来なかった私。
そんな私が一人佇み歌う彼の姿を見た瞬間、この人は特別なのだと思った。
理屈などではない。
私の直感がそう訴えていた。
あの人の傍に行きたいと心から願った。
気付けば彼に近付いていた幼いあの日。
あの人に会うためにただひたすら公園へと通った日々。
笑顔でいられた時間。


