君という海に溺れる





そう思った途端、さっと体から血の気が引いた。




「…お友達と、遊んだりしないの?」




子どもの行動はよくわからない。

でも、普通このくらいの年の子ならみんなで楽しくじゃれあうものなのかもしれないと。

少なくとも俺のような年上の男(彼女は女だと思っているけれど)と座って話しているのは普通ではないのかもしれないと思った。



(俺が、彼女を縛ってる…?)




彼女も本当は誰かと遊びたいと思っているのだろうか。

それを俺が縛り付けてしまってるのだろうか。


沸き上がったその不安に、思わず震える声で彼女に問い掛けた。


しかし、どうしてだろう。


俺の予想に反して、その可愛らしい顔を苦しそうに歪めた彼女。