「…くれるの?」
この子が急いで作ったのだろう。
少し歪なそれに指で触れながら問い掛ければ、笑顔のままで頷く彼女。
「うん。おねえさん、さみしそうだから」
どくん、
その言葉にドクリと心臓が鳴った。
まさか、こんな小さな子に見透かされているのだろうか。
それとも、ただの直感?
途端に恐怖に似た感情が体の底から沸き上がる。
誰にも知られることのなかった弱さを引き出されてしまうような。
戻れなくなってしまうような。
感じたことのない感覚。
逃げ出したい。
そう思うのに、何故か俺の口は言葉を紡ごうとしていた。
答えを、いくら悩んでも見つけられなかった答えを目の前の少女がくれるような気がして。


