甘い唐辛子



ほとんどの授業をサボり、あっと言う間に放課後になった。
日は既に沈み、真っ黒な空には白い三日月が浮かんでいた。

町の街灯や店の看板、車のライトの光で、きっと昼より明るくなるこの町の夜。派手な女や酒に酔ったサラリーマン、いかにもバカっぽい男達が我が物顔で歩いている。


「なあなあ、あそこにいる女の子可愛くねぇ?」
「一匹狼って感じだな。」
「維十!声かけよ!」

俺の両隣にいる海と希波矢が、乗り気じゃない俺の腕を引っ張って行く。


海達が進む先、町の明るすぎる光から逃れるように、暗い場所に1人の女が胡座をかいて座っている。