「ぷっ。なにそれ。ちこうよれ、みたいな」
「悪いようにはせんぞ?」
「…なんか胡散臭さ倍増したんだけど」
「まーいいからいいから」
警戒してなかなか来ない玲香にしびれを切らし、俺から抱きしめた。
「あのさ」
「…うん」
「えーと……この体勢のまま聞けよ」
「?」
俺が何を言うのか気になったらしい玲香は顔を上げた。
「こっちみんなって」
「わっ」
手で目隠しをする。
心臓が妙にドキドキして、これから言うことに玲香が引かないか少し心配になる……が、やっぱり隠し事はしたくないので決心を固める。
「……俺、中学の頃はけっこう女遊びヒドくてさ。色んなのと付き合ったの」
玲香がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。
「けどなんか、女運悪かったみてぇで……最悪な奴ばっかだった。ただ彼氏が欲しかっただけ。自分に貢ぐ男が欲しかっただけ。顔が良ければ誰でもいい。みたいなね。俺の内面を好きになる女は誰もいなかった」
「帝……」
「けど玲香だけは違った」
俺の中身を見てくれた女は初めてだった。
こいつは泣きながら俺のことを「口は悪いけど優しいじゃん!!」って言ってくれた。
しかも殴ったんだぞ。
男の顔を。二発も。
けど玲香のその泣き顔を見たら俺まで泣きそうになった。
初めて認められた気がして、玲香の想いが温かくて……。
「だから俺は玲香が好きになったの。分かった?」
