昨日と同じように、あたしは教室の窓から夕日を見ていた。
ただし、隣にいるのは奈美と悠斗だ。
「夕日綺麗だね」
「うん……桐沢は?」
「なんか用事があるから教室で待っててって」
「……俺まだ玲香ちゃんに言わなきゃいけないことあったの忘れてたよ」
「なに?」
悠斗はボーっと夕日を見ながら言った。
「帝が口悪い理由」
……理由?
えっ、あれって単にそういう性格なんじゃないの?
「あいつわざと憎まれ口叩いて、相手に言い返して欲しいんだよ」
「…は?」
「ようするに、怒られたいんだよ」
「意味分かんないんだけど」
悠斗は嫌な思い出が蘇ったのか、顔をしかめた。
「昔、帝に『ジュース買ってこい。てめぇの金で』って言われてさ。その時は俺まだ帝の性癖とか知らなかったから、普通にキレたんだよね。『そんくらい自分で買ってこい!金玉蹴られてぇのかクソ男!!』って」
「……悠斗、奈美の前でそんなこと言っちゃっていいの?」
「悠斗ってそんな感じだったの……?」
「あっ、いやいや!昔の話!昔の話だから!!今はもうこんなんですっ!」
悠斗は舌を出してピースをした。
まあ確かに中学時代の悠斗は少々荒れていたからキレたらそれくらい言うだろう。
