そして数分後。
「……玲香っ!!」
息を切らして帝が帰ってきた。
「はあ、はあ…言われた通り…っ……か、買って…」
あたしは彼の持っているものを確認し、すぐさま廊下に連れ出した。
教室だと色々目立つからだ。
「!?」
「帝、あんた本当に使えないね」
「えっ!?俺は言われた通りアイスティーを……」
「それでアイスティーしか買ってこないわけ?」
「……っ!」
帝からアイスティーを奪い取った。
「気を利かせてお菓子くらい買ってこれないの?」
「そ、そんなこと言われなきゃ分からな……」
「口ごたえするな」
「!」
帝のノドにアイスティーを押しつけた。
あたしより二十センチは背の高い彼が、ビクリと体を震わせる。
「……ちょ、ま、玲香……」
「次からはちゃんとやってよ」
アイスティーを離した。
キンキンに冷えたアイスティーの周りについていた水滴が、帝の首に付着した。
それが汗のように流れ帝の制服の襟を濡らす。
「…………」
ゴクリと唾を飲みこむ音が聞こえた。
「話聞いてる?」
「……ヒッ!」
再び押しつけると短い悲鳴が漏れた。
「は、はい……」
「今度なにかミスしたらひっぱたくから」
「……!…はい!」
その時、始業の鐘が鳴った。
「先生来ちゃうから戻ろうか!」
「あ……ああ」
席に座る時チラリと表情を盗み見ると、帝は赤く染まった顔を手で押さえ瞳を潤ませていた。
