「………………は?意味分かんないんだけど」
黙ってあたしの話を聞いていた奈美が言った。
「だよね!普通はそういう反応するよね!」
「信じられないもん。あんたまた桐沢の冗談真に受けたんじゃない?」
「……ううん、真剣だった」
「どっちかっていうと、桐沢はSなんだと思ってた」
「あたしも。けど本人は大真面目に『お前の奴隷にしろ』って……」
「おはよ~!!」
教室の扉が開き、悠斗が入ってきた。
珍しく帝よりも来るのが早い。
「悠斗!ちょっと来なさい!」
奈美が鋭い声で悠斗を呼ぶと、奈美とは対照的に悠斗の顔はパアッと輝いた。
「奈美ちゃんっ!おはよう!奈美ちゃんから呼んでくれるなんて珍しいっ!俺嬉しいよ~!!」
「静かにこっちに来て」
「……はい」
ギターをロッカーに立てかけ、悠斗はテクテクとやってきた。
「聞きたいことがいくつかあるんだけど、いい?」