そうだったね。 透は心配性だったね。 私が歩いていた場所は、少し危険で、よろけてコケれば川に落ちてしまう。 それを心配した透は、 「咲、危ないで降りな。ほら」 そう言って差し出したのは、手であって手じゃなかった。 両腕。 透は、私を抱っこしようとしたのだ。