オレンジ色のかごの中

誰かに憎まれたりするのはすごく辛いことだ。


でもきっと



誰かを憎み続けなければいけないことも、きっとすごく悲しいことだ。



僕は僕を憎む。


あの日、あのマウンドで間違えた球を投げた僕を憎んでいる。


きっと彼女も。



僕は部屋の明かりを消したまま膝を抱えていた。



彼女を想う。



彼女の泣いた顔を想う。



彼女の細い薬指を想うと



胸が痛んだ。



昨日までとは違う胸の痛み。



彼を亡くしてしまった原因をあのボールに映す時、僕の胸はいつも痛んでいた。


でも違う。


この痛みは違う。



主役は…彼女なんだ。




彼女が泣く。


彼のために?

人を憎むことの悲しさに?



彼女に会いたい。


会って、彼女の涙を拭いたい。


でも彼女は僕を見ると色んな想いが混じりあって



やっぱり泣くのだろう。