グイ
「きゃっ…」
……え?
突然、後ろから引っ張られ、その反動で男の掴んでいた手が離れた
次の瞬間には、背中が温かくなって
「おい、誰に断って、コイツ連れてこうとしてんの?」
聞き慣れた、安心する声
「海都……?」
見れば、私を後ろから抱き締めて、男を睨みつける海都がいた
「誰だよお前!!」
「言う必要ないね。つーか、早く行った方がいいよ?みんな見てるから」
「っ……」
男は舌打ちすると、人混みに紛れて行った
「はぁ……みりい、大丈夫か?」
「うん。ありがとう」
私がそう言うと、海都は私の頬を優しく撫でた
「ん。よかった」
きゅんっ…
な、なんだろ…胸がドキドキして止まらないよーっ
海都に頬を撫でられるのは嫌じゃない
むしろ、好きだったりする



