「そういやぁ、海都。吉野さんいいのか?」



晴紀がくるくるとシャーペンを回しながら聞いてきた



「んー大丈夫。宮坂(優衣)が一緒にいるから」



俺が晴紀と勉強するって言ったら、じゃあ私もってことで、みりいは自分の教室で宮坂と勉強してる




「吉野さんの男嫌いは治ったの?」

「いや、まだ」




それどころか、治る気配もない



「まぁ、その方がいいんじゃね?海都にとっては」


「…まぁな」




他の男になびく心配がなくなるから



「お前告んねぇの?」

「無理。俺、一応ボディーガードで一緒にいるから。それで俺から手ぇ出したらどうなるか。相手は日本トップ3に入る財閥だぞ?」


「あー、そういうことになるのか」




晴紀は納得したように頷くと、再び教科書に目を移した