翌日、土曜日。

あたしは朝からバタバタしていた。

「お前…廉のことスキだろ」

カランッ

「はっ!?はぁ!?」

兄ちゃんの一言に驚いて
落ちた調理器具。

「違うし!やめてよ!そういう勘違い!」

慌てすぎて真っ赤になって
反論していることに気づかない日向。

兄、朝日にはバレバレだった。

「ふぅーん、じゃあなにしてんの?」

兄ちゃんがニヤニヤしながら聞いてくる。

キモイ!ほんとやめて!

「別に!こ、これは昨日のお礼にと思っただけで」

チンッ

「おー、焼けたみたいだなぁ、お前の愛のこもった手作りクッキー♡」

うぜぇ、兄貴うぜぇ。

こんなにもうざいと久々に思った。

オーブンから取り出したのは
動物の型で可愛く型取られた
プレーン、ココア、抹茶と三色のクッキー。

よし、綺麗に焼けた!

ええっと、今の時刻は…11時前か!

「廉来るの昼過ぎだろ。何そんな慌ててんの」

「慌ててなんかない!」

いちいちうるさい兄貴だな!

あたしはクッキーをお皿に移して
そのまま冷ましておいた。

そして服を着替えるために
一旦部屋に戻ってきた。

な、なににしよ。

どんなのがいいんだろ?

あたしは服を手にとっては
鏡で確認することを繰り返す、。

「うーん、」

そう、今日は先輩がウチへ来るんです。