家に帰るとすでに兄ちゃんが帰ってきていた。

「え、廉?」

「あ、朝日…」

へ?

「え、なに。兄ちゃん…知り合い?」

そういえば兄ちゃんと同じ高校の制服…。

「はっ!?うそ、まじ!?君、朝日の妹だったの!?」

目を丸くして驚く男の人。

兄ちゃんも同じようにして驚いていた。

「お前どうしたんだ、そんな傷だらけで。てかなんで日向と一緒に…「日向!?」

「日向っていうんだ!」

キラキラした目でぐいっと顔を近づける男の人は手までがっちり握ってきた。

ええっ!?なに!?

「なんなんですか!?」

ていうか誰!!

「オレ、葉山廉!!朝日の親友で」

そしてまた一歩あたしに近づいて

「日向がスキなんだ!!」

この瞬間、傷だらけのヒーローはあたしの中で不審者に変わった。

これがあたしと先輩の出会いだった。