「違うくないでしょ。あんた本当はもうわかってる」

「違うってば」

「違うくない!」

「違う!」

「違うくない!!」

「違う!!」

なによ!あたしのことなんでもわかってるみたいに!!

岬とあたしの違うか違うくないかの言い争いは
まだまだ続き、数分後…。

「違うくないっていってんでしょーが!!」

「こっちだって違うっていってるじゃん!!」

「ちょ、ちょっと…二人ともそこまでに…」

ヒメもさすがに見てられなかったのか
止めにはいってきた。

「じゃあ何が違うのよ!!?」

そして次の一言で長い言い争いの勝敗が決まるのだった。

「あたし、先輩のことスキじゃないもん!!!」

もうすぐ朝のホームルームが始まる教室。

先生はまだいなかったが
あたしの大声にみんながあたしを見た。

「ほら、そういうことなのよ、ヒメ」

呆れ半分誇らしげに岬は言った。

「あー…ね」

それに頷くヒメ。

「なに!?」

あたしだけがまだなにもわかっていなかった。