「いや、死ねはなかったよね、死ねは」

翌日。
先輩が家に来る前に学校へダッシュし、
いろいろ後悔してるあたしは
昨日何があったか岬とヒメに
おおまかに説明していた。

「死ねって言ったの?葉山に??まぁいいんじゃない?いっつもなにかと言ってんじゃん」

「それより、大大大、大キライの方が気の毒だと…」

「……だって、だってさぁ」

先輩が浮気みたいなことしてたのが
ほんとーに頭に来ちゃったんだよ!

なんて、言えないんだけどさ…。

「いやいや、佐野が一番気の毒だって!あんた結構気がある素振り見せてたじゃない?それで振るって…まぁ仕方ないんだけどさ」

う…。

さっきから話しているとどんどん気持ちが沈んでいくあたし。

いや、自分でも思うもん。

あたしってとことん最低だなって。

「ていうか、私ら的にはあんたが佐野を振るのはまぁわかってたわけ。最初からね。それなのにデートにいくんだもんなー」

「なによそれ…」

あたしはこれでもちゃんと考えてたんだよ?
最初からわかってたってどういうことさ。

「日向ちゃんって、ほんとに鈍感なんだと思う」

鈍感とか、ヒメに言われたくないしー。

「いや、この子の場合は」

岬ははっきり確信を持ってこう言った。

「気づかないふりしてるだけ」

「……」

気づかないふりなんて…してないし。

「自分の中で答えは出てるくせに、それを認めないでなかったことにしようとするのに必死なんだよ。要するにバカってこと」

「なっ…違うし」