ちゃんと伝わったかなんて
頭ん中ごちゃごちゃでわかんない、

けど

言えた……、あたしの気持ち。

まだ先輩のあったかい胸に包まれたまま、
あたしはそっと先輩のシャツを握った。

「ぇ、ぁ、え……」

十秒くらい経って聞こえてきたのは
こんな間抜けな声だった。

なに?

不安になって顔をあげると

!!

あるものに気づいた。

なに、これ。

「日向…「離して!!」

ドン!

気づいてすぐ先輩を突き飛ばした。

「え!?なに!?」

なにって…それはこっちの台詞だ!

「首のそれ…なに…?」

「へ?」

首を見ようとするけど見えてない先輩。

けどあたしにははっきり見えてしまった。

それは、

やっぱりあの時…、電話したあの時、
先輩はそういうことをしてたっていう証拠だ。

もういい。

「……あたし帰る」

あたしは先輩に背を向けて歩きだした。

さっきまでの先輩への気持ちよりも
今は怒りの気持ちの方があきらか大きかった。


「え、日向ちょっと待って!」

追いかけてくる先輩にガチギレで

「ついてこないで!!」

といい、睨み付けた。

「ええ!?なんで!」

なんでって…。

「やっぱり」

スッと立ち止まってあたしは叫んでやった。

「先輩なんて大大大、大っキライ!!!あほぼけかす!死ね!!!」