――別れよう。 できることなら一生聞きたくなかった一言。 私はあなたのことが好きで好きでしょうがなくて、だから認めなかった。 嫌だって言い続けた。 なのにあなたは ――もう一人にしてくれ。 お願いだから。 ずるいよ。 お願いだなんて言われたらどうしようもなくなる。 あなたの最後のお願いを聞いてあげた日から今日でちょうど一年になるね。 帰りの電車を待ちながら、そんなことを考えていた。