たくさんある求人の中からなんとなくよさそうと思って手にしてみた。


メイク関係は興味があるし“キレイめ"の仕事は憧れる。


どうせ選べるなら工場よりもいいかな・・・。

莉亜は一通り目を通してこの化粧品会社に希望を出すことにした。



新卒募集が50人の内、内定が6人って書いてあった。莉亜はそんなことも気にせずとりあえず明日希望を提出するためぐらいにしか考えてなかった・・・


三週間後の面接指導ではたまたま同じ職種の子がいなくて、先生と一対一での練習だった。


「オイ!お前やる気がないならやめちまぇ!」


最初から担当の高嶋に怒鳴られた

「いい加減にやるなら帰れ!」


高嶋は莉亜の首を掴み廊下に出す


・・・就職なんてどうでもいいって思ってた。けど頑張らないといけないよね。
自分が選んだ仕事だし、やるしかないんだもんねっ。

廊下に出された莉亜はウジウジして強がる自分が情けなくて、悔しくて涙が溢れる。


自分にどうしても素直になれない


夢を諦めさせられたってずっと思ってきた。けどそれは自分からも逃げていたことだとやっと気付いた。