『・・・ウン』

電話が鳴る・・・。莉亜は受話器を取った。

『はい、水瀬です。』
祐也からの電話と分かっていたのになぜか堅苦しい電話の出方しかできなかった

「りあ、今日の昼休みこなかったなっ。なんか用事だったの?ベルもよこさないし、心配したよ。」

『ごめん。ちょっと忙しくて連絡もできなくて』

「そっかぁ、それならいいけど」

しばらく沈黙が続く・・・

いつもは沈黙なんてしないくらい
お互いが会話をするのに莉亜は
そんなに気持ちの余裕がなくて
うまく話すことができない。

祐也もなんかいつもと違う雰囲気だった・・・


祐也が沈黙をやぶる。
「お前辛いだろ?我慢してるだろ?なぜそれをオレにいつも言わないで自分で背負うの?なんでオレにぶつかってこないの?」


祐也は莉亜の気持ちをわかっていた。莉亜は祐也に何も言い返せない。
祐也から言われたことは図星だから。莉亜のずるいとこだから。


『それは好きだからだよ。祐也を失いたくないから、私が我慢してでも一緒にいたいから・・・』


「りあ、それは違うよ。好きだからこそちゃんと気持ちを伝えて、お互いに素直に向き合うべきじゃないか?」