(タッタッタッ・・・)

莉亜の態度を心配して祐也が
探しにきた。


「莉亜?。どうした?オレなんか
した?おい、莉亜?」



『・・・ごめん。なんでもない』


「なんでもないわけないじゃん
じゃあなんで泣いてる?」

『・・・・・。』

莉亜の涙が床にこぼれ落ちる。


『祐也さんが好き。』


『好きすぎてたまらない。私
どうしたらいいのかわからなくて
ずっと一緒にいたい。』


祐也が莉亜の頭をポンッポンッ
と叩く。


「一緒にいてくれっていったのは
オレのほうだ。どこにもいかない
し、オレも莉亜といたい」


「もうすぐ終わるからここで
待ってて。一緒に帰ろう」


莉亜は止めていた涙がまた溢れた


祐也が莉亜のカバンを持って
下駄箱にきた。莉亜の青の
スリッパと祐也の赤のスリッパを
履き替えた。東高ではこれが
付き合っている証。
彼氏、彼女の
学年で違った色のスリッパを
履くことがみんなが羨むこと。

莉亜は赤のスリッパを自分の
下駄箱に入れた。
祐也は自転車のかごに莉亜の
カバンを入れて自転車をゆっくり
おしながら歩き始めた。


二人で誰もいない学校の
ロータリーを歩く・・・。