(ブクッブクッ・・・パァ)

海の中から莉亜は顔をだした。

すぐにかずちゃんの姿を探す。


(あれ?かずちゃん?)


「フォーォ。チービ!」


波に乗りながらかずちゃんは笑っている。
すごくきれいな笑顔・・・

(パァ・・・)

「チビ!今の波よかったじゃん!うまく乗れてたよ!」


『見えた?すっごい気持ちかったよ!』


「えらい!えらい」


かずちゃんが莉亜の頭を軽くいい子いい子してくれた。


その後も何本かいい波に乗れて最高だった。


『ちょっと休憩しない?』

「もう一本乗ったらすぐ行くよ!」


莉亜は先に車へ戻った。

タバコに火をつけた。


かずちゃんの姿を無意識に目で追ってしまう。


すごく滑らかなフォーム気持ち良さそうに波に乗って、波と馴染んでいく・・・。

いつか莉亜もあんな風に乗れるようになりたいと思う。

(ピッピッピーッ・・・)
いつもバイブになってるかずちゃんの携帯が莉亜の真横で鳴っている。

(ふん?誰だろう・・・)
莉亜はちょっと気にはなったけどまたかずちゃんに目を向けた。

かずちゃんが走って戻ってくる。

「あーあ最高だった!」