それでも今まで5人家族でいつでも賑やかに育ってきた莉亜にとってやっぱり一人って寂しいものだった。

ただいまって言える相手がいないって悲しい。


家に帰るのが寂しくなってギリギリまで仕事してからバイトに向かった。


バイトへ行けばカオもいるし、気も紛れた。


かずちゃんとは前ほど会えない。


仕事も忙しくなり責任もある仕事を任されていたから定時で仕事が終われない。

少しの時間でも会いたいけど早く終わった日はかずちゃんが忙しくてすれちがう事が多くなった。


『かずちゃん?何してる?今何処にいるの?会いたいよ・・・』


「ごめん、今から商談でお客さんちへ向かってるんだ・・」


『そっかぁ。じゃあしょうがないね・・・』


こんな感じで会えない。



ある日の日曜日たまたま仕事もバイトも休みで家でゆっくりしていた。

(ピンポーン・・・)


『はいっ』

(ガチャッ)


スーツ姿のかずちゃんが立っていた。


『びっくりしたっ。どうしたの?』


「ん。チビに会いたくなったから来ちゃった」


莉亜は嬉しかった。久しぶりに会えた。しかも会いにきてくれたから・・・。