まぁさんからの電話が何度も繰り返し掛ってくる。


もう話すことは何もない。
いまさら言い訳なんか聞きたくない。


莉亜は携帯の電源を切った。

嫌いになれたらどんなに楽だろう。一度愛してしまった以上すぐに嫌いになんかなれない。

莉亜は押し潰されるように胸の奥が苦しい。


この二年ちょっとの間、本当に色々な事があった。


まぁさんのお父さんとお母さんは莉亜の事をすごく大切にしてくれた。

妹や弟も莉亜を本当の兄弟のように仲良くしてくれた。

あの子を中絶した時も莉亜は両親に土下座までして謝られた。

大切な両親にそんな事までさせてしまった。


だからもっと頑張ろうって思えた。両親を安心させてあげたかったから必死だった。


それなのに・・・。

全く無意味だったよ。


まぁさんが私じゃなくあの女性を選んだんだから・・・。


莉亜は両親の事を思うと申し訳ない気持ちだったけどまぁさんと別れる決意をした。


この人を立ち直らさせたくて、ずっと一緒にいたかった。

けどもうさよならしないと・・・自分を見失う前にさよならしないといけない。

大好きなまぁさんとさよなら・・