「大きく深呼吸してくださいね」


鼻の下へ酸素がつけられた
ゆっくり5秒数えましょう。

先生が麻酔を手にした。


「1・・2・・3・・・・」

意識を失った。


数を数えながら最期までごめんね・・・といい続けた。



目を覚ましたら処置室の天井がうっすら見えて、まぁさんが莉亜の手を握っていてくれた。


「大丈夫か?・・・」


『・・・う・・ん』

あんなに気持ちが悪くてあんなに体が痛かったのにそれが嘘のように何も感じない。


あの子がいなくなったっていうことだよね・・・。


小さな命が最期まで必死に生きた証だったんだよね。

-あなたは私を選んでこの世にきてくれた。
ほんの少しの間だったけどあなたの温もりを感じられた事に感謝しています。本当にありがとう。
本当はあなたをこの手で抱きしめてあげたかった。
あなたの小さな手、その小さな指を握り締めてあげたかった。
きっとどんなに辛くてもあなたは産まれてきたかったよね。
パパとママの温もりを感じたかったよね・・・
ごめんなさい。
でもほんの少しの間だけど私があなたの事を愛した事は忘れないで下さい。
選んでくれてありがとう-