「じゃあ内診しますから下着脱いで、台に跨いで下さい」

入ってすぐ看護婦さんにそう言われた。

初めての内診で莉亜は今にも泣き出しそうなくらい体が乞わばる。

内診が始まった。
カーテンのむこうでは器具の音が“ガチャガチャ”聞こえる

莉亜の胸の辺りにカーテンで仕切りがあるから何をされているのか見えない。


(ザザーッ)

「水瀬さんわかるかな?これが赤ちゃんが入っている袋で胎のうといいます。まだ早い時期だけどちゃんと確認でしましたね。
おめでとうございます」


先生が超音波をあてながら莉亜に画像を見せてくれた

はっきりはわからなかったけど確かに莉亜のお腹には小さな命が宿っていた。


小さな小さな命・・・


莉亜とまぁさんを選んでこの世に来てくれた赤ちゃん。莉亜のお腹に来てくれた命を大切にしたい。


けどこの子が幸せになれないなら・・・
とやっぱり考えてしまう。

「もちろん出産だね?」

『・・・まだ決めていません』

二人の間では結論をだしたはずだったけどまだ莉亜の気持ちが決まらなかった

「では次の診察までに決めてくるように」

次は1週間後。それまでに決断しないと