気付いたら朝がきていた。
仕事が休みだったから産婦人科へ行く事にした。


行く前にちゃんと話しておかなければ・・・


『お母さんっ私妊娠しちゃったよ。』

「はぁ?ホントなの?だからちゃんとしなさいって言ったじゃん・・・どうする気なの?」

母は呆れた口調で莉亜に言う。

『産もうと思うけど不安で怖いよ。どうしたらいい・・・』

貯まっていた涙が溢れた。

「よく考えなさい。お腹の子にとってどうすることが一番いいのかを・・・
子供を育てるのは可愛いだけじゃだめだよ。お金もかかるし、体力だって。仕事も失うし。」


母の言葉が莉亜の胸に突き刺さる。

莉亜達三人の子育て必死にしてきた母の言葉は凄く重く伝わる。


「二人でよく話しなさい」

たまたま一緒にいた姉達は“絶対に反対”と電話の向こうで言っているのが聞こえた。


一人で病院へ行く。

待合室にはおっきなお腹をした妊娠さんや産まれたての赤ちゃんを抱いたママさん。みんな幸せそうな表情をしている。


喜ばしい事なのに不安の方が大きくて足がガクガク震える。


(みずせりあさん〜)
莉亜が呼ばれた。

診察室へ入っていく・・・