季節は変わり秋。



今日は金曜日。



明日にはゴンさんに会える!



私はウキウキしながら帰り支度をしていた。


すると、



「彌さーん、聞いて下さいよー」



なぜか涙目になった、安田さんの姿。



いつものバッチリメイクが、すっかり落ちて、怖いことになっている。



「どうしたの、顔酷いけど…」



すると、急に私に抱き着く彼女。



「私、彼氏にフラれたんです~」



ずびずびと、酷い有様。



だが、私では相談相手にならないことは、私がよく分かってる。



「それはショックだったわね。

誰かに話して来たら?」



すると、さらに泣き出す彼女。


「彌さん鈍感過ぎますー!
あたしは、彌さんに相談に乗って欲しいんですー」



「え、でも私じゃ何も役に立たないわよ?」



「いいんですっ
彌さんの存在が、あたしにとっては、安らぎなのでっ」



そこまで言われたら、私も引くに引けなくなり…



居酒屋へ来ていた。



「んもー、ホントにあいつは最低でふッ!

浮気した挙げ句、浮気相手をとるなんてぇー」



………まさか、焼酎をロックで何杯も呑む子だなんて、思わなくて。



私は、梅酒を少しだけ呑むだけなのに…。



彼女の飲みっぷりには、呆気を取られた。