放課後はいつも拓哉くんがアタシの教室まで迎えにきてくれる。その後は適当に遊んで帰りは必ず送ってくれるんだ。

今日の放課後は夏帆のことをスキな拓哉くんの友達が誰なのか聞いてみることにした。

今日は学校近くのファミレスに来ていた。

「拓哉くん」

アタシが呼ぶと拓哉くんはジュースを飲むのをやめてこっちを向いた。

「前にさ、夏帆のことスキな友達がいるって言ってたじゃん?その人…誰か教えて?」

もし、これが大津先輩だったら…。

「あー…、いや、」

拓哉くんは眉間にシワをよせて歪んだ表情をしていた。

まぁ…友達のスキな人を教えるってダメ?なことだもんね。

チクッちゃうことになるし。

「じゃあ、じゃあ、イニシャル…O.T?」

大津司だからね。

アタシがそう言うと拓哉くんの歪んでいた表情がなくなった。

「美和…なんで知ってんだよ…。」

わぁっ
アタシったらビンゴじゃん!