雪菜side

恥ずかしい…何もないところで転けてしまうなんて
「だ…大丈夫か?」
「…はい」
膝痛いですけど

「お前名前は?」
えっなんで急に名前?
もしかして…私が転けたのを誰かに言うつもり?
言いたくないな
でもなんか睨んでくるし……
「遠藤…遠藤雪菜です」

「雪菜ね…」
「あっ…あの」
「よし!家まで送ってやるよ雪菜!」
折角勇気を出して、誰にも言わないでって言おうとしたのに…
「俺の名前は黒村竜ね」
「黒村さん…」
「竜でいいよ」
「竜さん」
「合格!帰ろうか」
「はっ…はい」


な…何~
この沈黙…
「えっ…えっと」
「なに?」
何も言うことがない~
あっ…そうだ!
「さっきの事、誰にも言わないでください!」
「は?」
怖い……けど…これは言わなきゃ
「名前を聞いたし…転けたことを言うんですよね?」
「……」
「……?」
「……ブッ」
な…酷い!笑うなんて!!
「あんさぁ…」
な…なによ!なんて言えるわけでもなく
「は…はい」