…皆さん、おはようございまーす。


只今あたし、一ノ瀬雫は寝起きドッキリをしようと企み、お友達の藤井瑠依さんの家にお邪魔してます。


さあ、まずはどうしましょうか。机の上には彼が飲んだであろうジュースのペットボトル。



「…よーし決めた。の、前に喉乾いたなー。あれ?あれれ?近くにジュースがあるわ!丁度良かった!」


間接キスを狙い藤井のペットボトルに手を伸ばした時、


「死ねクズ」


彼はあたしの頭に枕を命中させた。


痛い。…が、

「藤井の枕良い匂いはあはあはあはあはあはあはあはあ」

「ねぇ、出ていってくれないかな?」


藤井の枕に顔を押し付け、匂いを嗅いでいたら、冷たい眼差しであたしを見る彼が見えた。


やだあの子。あたしを見つめてる!どうしようもしかしてあたしが好きなのかも!「一緒に、楽しもうぜ。腰抜けるまで構ってやるよ」とか言われたらあたし、あたし…


「死ぬかもしれない!」

「それは嬉しいなー。はやく死んでよ変態。」

「藤井…。照れてるんだね。大丈夫、優しくするから。」

「立場逆だよね?」



…実はあたし、男なんだ。なんて訳も無く、無理矢理部屋から出された。



畜生。着替えてるとこ見たかったぜこの野郎。