「うざってーよ今のお前さ」

静まり返った剣道場で香賀の声が響いた

詠は顔を上げて香賀を見た

「聞こえなかったか?今のお前はお前じゃねーって言ってんだよ詠…少なくとも今のお前は俺が目標にして追いかけていた詠皐月じゃない」

「俺が知ってる詠皐月じゃない」と香賀は面を脱いだ

痛々しい左頬の傷跡が詠の目に入る

「お前の剣はこれくらいの事で錆びつくようなヤワな剣だったのか!?」