「あいつ本当にあの時の詠かよ?!」

客席で試合を見にきていた椚高校剣道部員は昔の自分を取り戻しつつある詠を見て目を丸くした

「いや…それよりもあれが本来あるべき姿の詠なんだろう」

如月が客席の椅子に座りながら冷静に詠の戦いを見ている

「でも…あれはまだ本当の詠じゃない…あいつの力はこんなもんじゃない」

「…香賀!?お前の学校今日棄権したはずじゃ」

椚高校剣道部員の1人が私服で来た香賀を見て尋ねた

「棄権しました…だから周りに気づかれないように私服でこっそり見に来たって訳ですよ…皐月の試合をね」

「皐月?」と如月は詠を名前で呼ぶ香賀を見て不思議に思ったがあえてツッコまなかった