私「・・・・・・!!!」

ここは・・・?ベッドの上?
あぁ・・・、夢か・・・。
私「はあぁ・・・」

また、あの夢か・・・。
一体何日連続で見ているんだろう。

「あの夢」とは、見た夢と同じように、アイツは公園の近くでバスにはね飛ばされる。
でもまだ実際に起きているわけではない。
正夢にならないかとても不安だ。

毎日嫌な夢から始まる一日に、流石に疲れを感じていた。
今日はそのストレス発散ということでカラオケに行くことになった。
友達に誘われたのである。

???「・・・い、・・・さ。なぎさ・・・」
・・・ん?何か話し声が聞こえる。
起きたのにもかかわらず、もうろうとした意識の中で、名前が呼ばれたのにはなんとなく分かった。でも誰なのかは分からない。

???「なぎさ・・・。日野凪沙!」
フルネームで名前を呼ばれ、やっと我に返った。

凪沙「!!みなみ!」
みなみ「や~っと気づいたか。起きてるのになかなか呼んでも気づかないんだもん」
凪沙「え?ごめんね・・・。ていうか何で私の部屋にいるの・・・」
みなみ「おばさんが上がっていいって言ったから。あとついでに起こして、ってね」
母さん・・・、勝手に入れないでよ・・・。

この子は、倉真みなみ。私と同い年の15歳。
私たちは高校入試に合格し、春休みを送っているところだ。
みなみは、私が幼稚園に通っているときからず~っと一緒だ。
そしてまた、高校も同じになる。
田舎に住んでいると学校も少ないから、同じ学校になる確率も高くなる。
小・中学校共、2クラスしかないとても小さな学校だった。
そんな中でできた大親友は大切にしたい。

みなみ「ほら、あと15分だよ。急いで支度して」
時計を見ると昼の11時過ぎをさしていた。
集合時間は11時15分。

凪沙「!!わあああああああああああああ」
大きな声を上げながらバタバタと支度する。
服を着替え、髪の毛をとかし、歯を磨いて・・・。
急いでいるのに10分とはあっという間なのだ。

みなみ「もーいい?」
いつの間にか外に出て、洗濯物を干している母さんとしゃべっていた。
凪沙「う、うん・・・」
母さん「ったく、毎日夜中の遅い時間まで起きてるからよ。電気代が高いっらありゃしない・・・」
そんなことを今言うか、と思ったけど口には出さなかった。

母さん「それじゃあ、事故とかには気をつけてね。行ってらっしゃい!」
凪沙・みなみ「はーい!」

カラオケに行くには、夢で見た信号を渡らなければならない。


不安だ・・・。