††† 昼間の熱を避暑したこの場所は、風当たりがよく清涼で居心地がよい。 朱色が美しく輝く夕日に、幼い頃の懐かしい情景を思い浮かべる。 ――だが、石段を登ることにそろそろ限界と嫌気が差してきた。 この見上げる限り一面、灰色な景色はいつまで続くのか。 正直、面倒であった。 無機質で規則的に並ぶそれを見つめると、青息吐息してしまう。