オオカミヤローに捕らわれて

私からフィッと目を逸らし、階段を昇ってゆく統牙。


その後トイレに駆け込んでコッソリ泣いたのは――――誰にも言うつもりは無い。


それから専属メイドになってからいつも私がやっていた仕事は、全部統牙が自分でやって、お陰で私はする事が無い。


普通のメイドの仕事やって、1日が終わったって感じだ。


「朝の挨拶も……返してくれなかった……」


今日だってきちんと『おはようございます』って挨拶したのに、一言も返してくれなかった。


その統牙は現在どこかに行っていて、家にはいない。


私はまたハァ……と重いため息をついた。