小さな小さな物語

目が覚めると、あたしはなぜか家のベッドに横たわっていて、あの不思議なメールも消えていた…。


時刻は朝の8時。


階段をかけ下り、玄関を乱暴に開ける。


(早く、早く愛結にあやまらなくちゃ…)


玄関を出たところで会ったのは、悲しげな寂しそうな顔をした愛結。


「愛結っ…」


抱きついた愛結のこわばった体がゆっくりと元に戻っていく。


「ごめんね…


気づいてあげられなくて…


愛結はずっと田辺くんのこと好きだったんだね。


だからあんなこと…」